建設や土木あるいは倉庫や工場などの現場で仕事をする方にとっては、作業服は必要不可欠なアイテムといっても過言ではありません。その作業服と同じく重要なアイテムで知られるのが、実は靴下。ハードな動きが求められる作業現場では、靴下は単に足を守るだけでなく、作業効率にも大きく影響を及ぼします。
ここでは作業服とセットで最適な靴下を選ぶ場合に、必ず知っておきたいポイントについて紹介します。
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ハードな作業現場では耐久性に優れた作業服を!
作業現場では常に歩き続けたり、長時間にわたり立ったままで作業する、重量物を繰り返し持ち上げて下ろす、あるいは高温や低温の環境下で作業をするなど、ハードな動作が求められるケースも珍しくありません。このような現場で着用する作業服には、まず耐久性のある製品を選ぶのが基本。
例えば綿100パーセント素材の作業服であれば、ぶつけたり擦ったりするシーンになっても破れにくいことに加え、火や熱にも強いので、バーナーを扱う作業現場でも最適です。
もちろん靴下にも耐久性が求められる!
こんな作業服が必要な現場であれば、靴下にも同じように耐久性が求められるのは、言うまでもないでしょう。かかとやつま先は全体重がかかりやすい箇所なので、長期にわたり繰り返し履き続けていれば、どうしても繊維の摩耗や破れ等は避けられません。
したがって日々快適な作業を実現するなら、できるだけ破れや穴が空くようなことのない、丈夫な生地の靴下を選ぶことが大事なポイントです。そのためにはやはり素材を見極める必要があります。この点、天然繊維よりも化学繊維の方が、耐久性に優れていることを知っておくべきでしょう。
例えば綿に加えポリエステルやポリウレタン等の化学繊維を混合した製品ならば、摩耗強度が高い上、優れた吸汗性や伸縮性も期待できます。
季節に合わせて選ぶなら?夏シーズン編
温度や湿度に影響を受けやすい現場では、それに見合った作業服を選ぶことが重要なポイント。特に年間を通じて屋外で作業をするケースでは、季節ごとに作業服を適度に変えていくことが求められます。これを怠ると単に作業効率が落ちるだけでなく、気温や湿度の上昇する夏場に熱中症にかかったり、気温が急激に下る冬場には低体温症になりやすいなど、様々な危険リスクを招くことにもなりかねません。
まず夏場の作業服選びでは、通気性や速乾性そして吸湿性を重視することが、大切なポイントになります。素材でいえば、自然素材よりも化学繊維の割合が高い製品を選ぶべきでしょう。例えばポリエステルが85パーセントで、綿は15パーセントの製品の場合、速乾性や吸湿性に加え、抜群の清涼感も期待することができます。
また服の機能で見れば、ネック部分に吸汗ニットが施されていたり、背中の肩周りに切れ込みを入れてメッシュ編みにするなど、通気性を確保するために工夫された様々な製品があります。同じく夏場の靴下についても、通気性や速乾性そして吸湿性に優れた製品を選ぶことが、大事なポイント。
例えば生地がニットで、メッシュ編みの製品であれば、長時間のハードワークによって汗で濡れても、直ぐに乾いて快適に作業を続けることができます。
季節に合わせて選ぶなら?冬シーズン編
その一方で冬場の作業服を選ぶのであれば、やはり保温性を重視すべきでしょう。特に寒風や冷気をシャットアウトするなら、保温性に加えて防風性や防寒性にも優れた、厚手のジャケットやブルゾンまたはコートといったアイテムが必須になります。
例えばジャケットの中には、防水性や透湿性を高めた特殊な中綿を、ナイロン100パーセントの表地と、ポリエステル100パーセントの裏地によって挟んで、ハイレベルな防寒防水を実現した製品もあります。
またブルゾンの中にも、裏地に独自開発の全天候型保温素材を採用することで、極めて高い保温性を発揮する製品も見られます。これに合わせて冬場の靴下も、保温性を中心に製品を見極めるべきでしょう。生地には自然素材よりも、化学繊維を使用した製品がおすすめ。
例えばアクリルやナイロンそして毛やポリウレタンを混合し、セラミック練り込み糸を使用した製品の場合、セラミック効果による遠赤外線が放射されて、寒冷の環境下でも高い保温性を発揮します。また冬場の靴下は防水性にも気をつけなければなりません。
雨や雪によって少し濡れるだけでも、足元から体温が奪われるからです。そこで靴下の中にはナイロンやポリウレタンの素材を三層構造にし、さらに100パーセントのシームレスな縫製によって、高い防水性と透湿排汗性を実現しているタイプも見られます。
冬場の屋外で作業をするなら、十分検討に値する製品と言えるでしょう。
安全性や衛生面を重視するなら?
長時間にわたり高所や滑りやすいといった現場で危険な作業をしている方なら、まずしっかりと身体の安全を確保することが求められます。例えば高所作業の場合には、フルハーネス対応の作業服が必須ですし、滑りやすい現場での作業には、耐滑機能を備えた安全靴を履かなければなりません。
同様に靴下にも安全性の確保にふさわしい、優れた素材や機能を備えている製品を選ぶ必要があります。特に足の動きが的確に接地面へ伝わるように、足の踏ん張りが効くタイプを選ぶことが重要です。そこで指先が分かれている5本指タイプの靴下がおすすめ。
5本の指でしっかりと接地面をグリップできるため、足元で抜群の安定感やバランス感覚を実現します。実際に作業現場ではパフォーマンス効果を高めるだけでなく、安全に作業を進めるためにも、5本指タイプの靴下を使用するケースが数多く見られます。
5本指タイプの靴下を作業現場で履くメリットはこれだけではありません。このタイプはそれぞれの指が分かれているため、靴下の素材が汗をしっかりと吸収。そのため汗蒸れを防いで、雑菌の繁殖まで抑止することが知られています。
特に普段から水虫に悩んでいる方には、まさに最適なタイプと言えます。さらに見逃せないのが、足元の臭い対策にもなること。臭いの原因には色々ありますが、その中でも一般的によく知られているのが、汗による雑菌の繁殖です。
この点、5本指タイプの靴下は繊維が汗をしっかり吸収するため、雑菌の繁殖を極力抑えて、足元の嫌な臭いまで抑制することが期待できます。
作業服と靴下をセットで考えて、現場環境や作業内容にふさわしいものを選べ!
ここまで紹介してわかるように、作業現場で身につけるアイテムは靴下に至るまで、パフォーマンスや安全性あるいは衛生面等に大きな影響を及ぼします。したがって現場で使用する靴下を選ぶなら、作業服などとセットで考えることが大切なポイント。
その際には耐久性をはじめ通気性や速乾吸湿性、あるいは保温性や防風性など製品ごとの特性をよく把握し、現場環境や作業内容にふさわしいものを選ばなければなりません。