作業服は用途の性質上、基本的には頑丈で体が動きやすい作りになっています。作業内容によって最適な材質やデザインが異なるので、自分にぴったりな一着を選ぶのが快適に着こなすための秘訣と言えるでしょう。また、作業服の色も使い勝手の良し悪しに関係する事実は無視できません。

ここでは用途別に適した作業服や色の特徴についてお伝えします。

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着用する人の体を守るのが目的

作業服は主に肉体労働と見做される仕事に従事する人が着用する衣類です。おしゃれな衣服として扱われているジーンズも当初は鉱山労働者が履くズボンとして作られていました。作業服は生地が厚く、頑丈な作りになっているのが特徴ですが、これは過酷な作業においてほつれや破れが生じるのを防ぐ他、着用している人の体を守る意味があります。

工事現場や工場など、作業服を着用する仕事現場は尖った物に引っかけたり、火花や薬品が飛び散って体に付着する事態が少なくありません。素肌がむき出しの状態では怪我を負うおそれがあるので、作業に従事する際は衣服の着用が必須と言えます。

しかし、薄手の生地ではすぐに破れてしまうので体を傷つけてしまいます。その点、作業服は生地が厚く頑丈な作りなので少々の刺激には十分に耐えられると言えるでしょう。また、縫い目もほつれにくい構造になっているので引っかけに強く、体を激しく動かしても破れることはほとんどありません。

体を守りつつ、動きを阻害しない程度の強度を持っているのが作業服の特徴と言えるでしょう。

用途別に最適な作りの一着を選ぶことが肝心

ひと口に作業服と言っても量販店で売られている安価な物から特殊な用途に限定された高級品まで、その種類は多岐にわたります。従事する仕事の内容に合わせて、最適な作りの作業服を選ぶのが安全に働くための必須条件です。

もっとも広く普及している作業服は綿生地、あるいは綿とそれ以外の繊維を混紡した生地が使われています。安価で量産が可能なうえ、生地を厚くすることで頑丈になることが普及した理由です。特に綿生地は耐久性が高く燃えにくいことから作業服の素材として重宝されています。

その一方で綿生地は水に濡れると縮む性質を持つことから、洗濯を繰り返すとサイズが小さくなります。また、虫食いの被害に遭いやすい点にも注意しなければいけません。混紡生地は綿生地よりも縮みにくい反面、強度がやや落ちる欠点があります。

化学繊維との混紡生地は火に弱いので、溶接や金属の切断など火花が飛散する現場には適していません。しかし、綿生地より伸縮性に富んでいるので腕を曲げたりしゃがんでも体が圧迫されにくいメリットがあります。洗濯しても生地が縮みにくいことから、綿生地の作業服よりも衛生管理が容易と言えるでしょう。

化学繊維の生地で作られた作業服は燃えやすいので火を扱う現場では着用できませんが、コーティングなど加工が容易なことから様々な用途に適した素材として多用されています。静電気や埃などを防ぐ加工が可能なことから、精密機器や食品を扱う製造現場に欠かせません。

また、綿生地よりも軽量なので体を動かしやすく、気密性にも富んでいることから防寒着としての効果も期待できます。染色加工も容易なので、おしゃれなデザインの作業服を作るのに最適です。

→溶接作業に適した作業服の選び方やお手入れの注意点

作業服の色が持つ意味

作業服は黒や紺など暗色系の色が多いイメージがあります。これは用途の性質上、泥などの汚れが付着しやすいのが理由です。暗い色なら汚れても目立たないので、見栄えが悪くなりません。特に工事現場など汚れやすい現場で着用する作業服は暗色系の作業服が多用されています。

逆に食品製造など徹底した衛生管理が求められる現場ではわずかな汚れもすぐに発見できるよう、白や黄色など明るい色が用いられています。暗い所で目立つように、わずかな光を反射して明るく見せる成分を含んだ塗料で染色した作業服もあるので用途別に使い分けることが重要です。

ピンク色の作業服が屋外での作業に適している理由

作業服を選ぶ際は着心地や生地の材質以外に色にもこだわることが大切です。汚れを目立たなくさせる、逆にわずかな汚れもすぐに見つかることを重視するのが一般的ですが、他にも自分の居場所を分かりやすくすることも無視できない選択肢です。

山地や森林での作業は時としてはぐれたり、その場で立ち往生してしまうことがあります。一刻も早く助けてもらう必要がありますが、そのためには自分がどこにいるかを周りに気づいてもらわなければいけません。黒や紺などの暗色系は目立ちにくい他、明るい色でも白や黄色はありふれているので見落としやすい傾向があります。

しかし、ピンク色は自然の中にはほとんど存在しない色なので、草や葉っぱが生い茂った森林でも見つけやすいと言えます。同様の理由でピンク色は冬季の屋外作業にも向いています。スキーウェアに派手なデザインが多いのは雪が降り積もった山地での視認性を向上させるためですが、ピンク色の作業服も真っ白な雪で覆われた環境では他の色よりも目立ちやすいのは事実です。

人身事故の多くがそこに人がいることを認識できなかったために起きることから、目立ちやすいピンク色の作業服は安全の確保に最適と言っても過言ではありません。

作業服の買い方について

作業服は専門店などの店舗で購入する他、通販業者を利用する方法があります。店舗での購入は試着ができるので体にぴったりなサイズの作業服を選択できるのがメリットですが、必ずしも欲しいサイズの在庫があるとは限りません。

また、特殊な用途の作業服は扱っている店舗も限定されることから、地域によっては不便なのも事実です。通販業者の利用は住む地域を問わず欲しい作業服を購入できるのが最大の特徴です。

一般の店舗では扱っていない特殊な用途の作業服を購入することも難しくありませんが、一方で試着ができないデメリットもあります。

表記サイズと実寸との違いや着心地の良し悪しは実際に着用しないとわかりません。そのため、通販業者から作業服を購入するなら利用者の口コミを複数比較して慎重に判断することが大切です。

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その作業服を着て快適に働けるかを重視する

作業服は材質やデザインが多彩なので選ぶ際に迷ってしまうことがあります。ピンク色の作業服のように視認性を向上させた製品は安全に仕事ができるメリットがありますが、何よりも体を守りつつ、動かしやすいことが最優先であることを忘れてはいけません。

着心地の良し悪しが仕事の質を左右すると言っても過言ではないため、作業服選びには強いこだわりを持つことが大切です。