愛用の作業服にペンキが付着した際の洗い方やお手入れの方法

作業服は用途の性質上、多少の汚れが付着するのは仕方がないと言えますが、それでもお気に入りの一着が汚れたままでは見栄えが良くありません。ペンキのようなしつこい汚れは洗濯しても落ちにくいのは事実ですが、工夫次第でほとんど目立たなくすることは可能です。

ここでは作業服の上手な洗い方やお手入れの方法についてお伝えします。

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ペンキの種類と衣服に付着すると落ちにくい理由

ペンキは大別すると水性と油性がありますが、これは塗料に混ぜる溶剤が異なるためです。水性は文字通り水を使って塗料を溶かしています。一方で油性はシンナーなどの有機溶剤が使われていますが、使用する溶剤の違いはペンキの固着性や乾きやすさに影響しています。

水性ペンキは安価で購入できる他、有害な成分を含む刺激臭が発生しません。引火もしないので安全に扱うことができます。しかし、油性よりも乾きにくく、塗料の皮膜もやや弱いのが欠点です。低温の環境では凍ってしまうのも水性ペンキ特有の注意点と言えるでしょう。

油性ペンキは速乾性があり、皮膜も頑丈です。鮮やかな色合いや艶が何年も保たれるので外壁塗装に最適です。油性ペンキは劣化しにくい塗料として高く評価されていますが、有機溶剤を混ぜているので燃えやすい欠点もあります。

有害な成分を含む刺激臭が発生するので作業中の換気は不可欠です。水性ペンキよりも高額な製品が多いので、複数の色を使い分ける際は費用が嵩むことも注意します。どちらのペンキも衣服に付着すると普通の洗濯では落とすことができませんが、これは塗料の成分が衣服の生地を染めてしまうためです。

色素が繊維の内部まで沁み込んでしまうため、一度付着すると洗い流すのは非常に難しいと言えます。

作業服に付着した水性ペンキの落とし方

仕事で使う作業服にペンキが付着した場合、そのまま放置すると非常に見栄えが悪くなります。不潔な印象を与えてしまい、仕事の評価にも影響する可能性は否定できません。付着したペンキが水性の場合、乾く前なら綺麗に洗い流すことが可能です。

生地に付着したペンキを清潔な流水で洗い流した後、衣料用洗剤を混ぜたぬるま湯に浸します。ペンキが生地に沁み込んでいる場合は手で揉むか、裏側をブラシで叩くのが効果的です。ペンキを取り除いた後は軽くしぼって水気を取り、洗濯機で洗えば完了です。

作業服は厚手の固い生地で作られている物が多いのでしぼるのは手間がかかりますが、端の方から少しずつしぼることで効率的に水気を取ることができます。水性ペンキが乾いた場合はやや熱いお湯に浸し、生地の裏側からブラシで叩いて少しずつペンキを剥がします。

慌てて力任せに擦ると色素が繊維に沁み込んでしまい、二度と落ちなくなります。また、生地が破れてしまう可能性もあるので時間をかけてゆっくり汚れを落とすことが肝心です。

油性ペンキを落とすためには専用のうすめ液が欠かせない

油性ペンキは水性ペンキよりも固着性が高く、付着すると簡単には除去できません。特に乾いたペンキを洗い流すのは容易ではなく、普通の洗濯ではほぼ不可能と言えるでしょう。しかし、油性ペンキ用のうすめ液を使えばある程度は状態の改善を期待できます。

うすめ液を使い捨てのウェスに沁み込ませ、ペンキが付着した部分を軽く叩きます。うすめ液の成分がペンキの色素を分解してウェスに沁み込ませ、作業服に付着したペンキが減少する仕組みです。その際、ウェスを擦ってしまうとペンキの色素が周囲に広がり、却って汚れが目立ってしまいます。

うすめ液を使う際は決して擦らず、叩く際も力を入れ過ぎないように注意しなければいけません。うすめ液だけではペンキの汚れを完全に落とすことはできません。うすめ液はペンキの色素を分解し、生地の表面に浮かばせる作用があります。

浮かび上がった色素は衣料用洗剤で洗い流すことができますが、他の衣類に付着するおそれがあるので洗濯機を使うのは避けるのが賢明でしょう。洗濯機の内側にペンキの汚れやうすめ液の臭気がこびり付く可能性もあるので、手もみで洗います。

ペンキ汚れは付着するものと割り切ることも重要

お気に入りの作業服をいつまでも綺麗に保ちたいと考えるのは普通のことですが、ペンキを使った作業ではどうしても汚れが付着します。液体のペンキは細かい飛沫になり、気づかないうちに作業服に付着するケースが少なくありません。

比較的落としやすい水性ペンキでも時間が経つと乾燥し、生地の繊維に沁み込んでしまいます。こうなるとうすめ液を使っても綺麗に除去するのが困難になるので早めの洗濯が必要ですが、時間がかかる作業の最中に着替えを行うのは現実的ではありません。

合羽を羽織るなどの方法もありますが、それでも万全とは言い切れません。ペンキを使う作業では衣服が汚れて当然と割り切ることが重要と言えるでしょう。

ペンキ汚れを目立たせない工夫と作業服を扱う際の注意点

作業服にペンキが付着するのを完全に防ぐことはできません。ペンキが乾かないうちに洗うことで生地を綺麗なままに保つことができますが、短期間に何度も洗濯を行うと生地が傷む可能性もあります。汚れをすべて洗い流すのは難しいので、ペンキが目立たない色の作業服を着るのが現実的な対処法です。

着用する作業服と似た色のペンキだけを使うのが汚れを目立たせない工夫です。

作業服によってはペンキ汚れをすぐに除去できる、コーティング加工が施されている物があります。

コーティングされた生地はペンキを弾く性質があるので、軽く拭き取るだけで綺麗にすることが可能です。コーティングは洗濯を繰り返すと効果が弱くなるので定期的な買い替えが必要になります。作業服にシワが付いたまま放置すると汚れの成分がこびり付いてしまいます。

生地が変色することもあるので、洗濯の後はアイロンをかけるなどシワを取ることを忘れてはいけません。日光に長時間晒すのも生地の繊維を劣化させる原因になるので、乾かす際は日陰を選びます。生地が厚い作業服は扇風機の風を当てることで時間をかけずに乾かすことが可能です。

ペンキの性質を正しく把握することと現実的な対処が重要

ペンキの汚れは一度付着すると二度と落ちないイメージがありますが、これはペンキの性質を正しく把握していないためです。ペンキが乾く前なら溶剤の性質に適した方法で洗い流すことができます。作業服に付着したペンキも洗い流すことができますが、生地の繊維に沁み込んだ色素を完全に除去することはできません。

ある程度の汚れは残ってしまうものと割り切り、現実的な方法で対処することを心がけます。