一生懸命仕事をしたからこそつく作業服の汚れ。臭いや汚れをしっかり取り、清潔な状態でまた使用したいものです。作業服の汚れをきれいにするには、汚れの種類に応じて手洗いなどのひと手間が必要です。

この記事では、作業服に着いてしまったペンキや泥、機械油の汚れといった汚れの分類と、それに応じた手洗いの仕方、洗濯機で洗う時の注意事項と洗剤の選び方などについて紹介します。

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作業服に着く汚れの種類とは?

土木工事での現場作業や農業でつく草や泥汚れ、製造工場、修理工場での油汚れなど作業服には、普段の洗濯では落ちにくい汚れがついてしまいます。作業服につく主な汚れは次のように分類されます。油がついてできた汚れは、油溶性といい、油脂汚れ、皮脂汚れ、油煙によってついた汚れを指します。

他にも不溶性の汚れに分類される汚れは、鉄さび、粘土、砂、ホコリ、ススといった汚れです。砂糖、塩、スープなど食品による汚れは水溶性の汚れに分類され、胞子や花粉などによる汚れは、細菌やカビ汚れに分類されます。

普段の洗濯で落としやすい汚れは、水溶性の汚れです。水溶性のシミなどは、水に溶けやすいため、早目であれば普段の洗濯で、きれいに落とせます。ただし、範囲が広いものであったり、長時間放置してしまうと汚れが酸化し、落ちにくい汚れになってしまいます。

こういった場合は、洗濯機にかける前に、ひと手間かけ、汚れを落としやすくする必要があります。特に、作業服につく汚れの多くは油溶性、不溶性なのですが、これら頑固な汚れは、洗濯機での洗濯だけでは汚れを落とすことができません。

洗濯機にかける前に、汚れの種類に応じた手洗いが必要となってきます。汚れの種類に応じて、汚れの落とし方や使う洗剤が異なります。

作業服の汚れは洗濯機で落とせる?

作業服についた汚れは、どの種類の汚れであっても、洗濯機での洗濯だけではきれいにならないと考えておきましょう。特に泥や砂、草がついてしまった作業服をそのまま洗濯機にかけてしまうと、砂や小石、草が洗濯槽に詰まってしまうことがあり、故障の原因となってしまいます。

砂や小石、草はきれいに払い、手洗いで8割程度汚れを落としてから洗濯機で洗うようにしましょう。作業服を洗濯機で洗う時には、他の洗濯ものと分けて洗濯することをおすすめします。手洗いをし、ある程度の汚れは落ちている状態であっても、作業服の頑固な汚れが繊維の奥からしみ出し、臭いや汚れが他の洗濯物に移ってしまうことがあります。

作業服は、作業服だけで洗濯機にかけるようにしましょう。洗いの時間を普通の衣類より長めに設定したり、普段1回のすすぎを3回以上にするなど、しっかり洗える設定で洗濯機にかけるとよいようです。また、作業服を洗濯後は、洗濯槽の掃除も必須です。

洗濯槽一杯にぬるま湯をはり、10リットルに対して100グラムの酸素系漂白剤を溶かし入れます。5分程洗濯機を動かした後、約2時間放置し、その後再度洗濯機を回します。

こうすることで洗濯槽についてしまった汚れが浮き出てきます。汚れをすくい取ってから、最後に脱水とすすぎをすれば洗濯槽の掃除は終了です。

手洗いをする際の注意事項とは

作業服の手洗いは、汚れの種類に応じてやり方を変えるようにしましょう。

手洗い時の注意点は、洗う前に作業着についている洗濯タグで洗濯方法や使用できる温度の確認をする事、手荒れ防止にゴム手袋を使用することです。

作業着に着くことが多い泥汚れは、しっかりと泥をはたき落とした後、作業着に直接洗剤をかけ、お湯につけながら揉み洗いをします。表側からと裏側から何度もお湯をかえながら揉み洗いし、繊維にしみこんだ汚れを落とします。

揉み洗いがうまくできなかったり、汚れが落ちにくいと感じる場合は、使い古しの歯ブラシを使ってこするのもおすすめです。作業服をすすぐ水が濁らなくなったら、洗濯機にかけましょう。油汚れの落とし方には、3つの方法があります。

まずはお湯で汚れを浮き上がらせ、汚れを落とす方法です。動物性油の場合は、約40度、植物性油の場合は約60度で汚れが落ちやすくなります。もう1つの方法は、食器用洗剤で洗う方法です。約40度のお湯を用意し、汚れた部分に直接食器用洗剤をかけ、揉み洗いやブラシでこすって汚れを落とします。

食器用洗剤よりも汚れ落ち効果が期待できるものにメイクのクレンジングオイルがあります。クレンジングオイルは強い洗浄力があるので、強力な油汚れを落とす時におすすめです。クレンジングオイルを使用する時は、作業服を乾燥させたまま使用しましょう。

汚れ部分にクレンジングオイルをしみこませ揉み洗いし、数分おきます。汚れとオイルがなじんだころ、ぬるま湯で洗い流します。その後洗濯機で洗濯をするときれいになります。

洗剤はどんなものを選べばいいの?

手洗いをしてから洗濯機で洗っているのに、なんだかすっきり汚れが落ちていないような気がする、といった場合は、洗剤を見直してみるのもおすすめです。

プロ仕様の作業用洗剤というのがあるのをご存じでしょうか。機械油の汚れ、汗じみ、金属粉や土埃などを落とすために作られた強力な洗浄力を持つ洗剤です。整備士、土木、工場といった現場で働く人向けに作られています。

プロ仕様の洗剤ですがインターネットで個人が購入することもできます。自宅の洗濯機がドラム式洗濯機の場合、洗剤は低泡性洗剤を使うようにしましょう。ドラム式洗濯機は、「叩き落とす」という洗い方が特徴です。ドラム内で衣類が落ちる衝撃で汚れを落とします。

よく泡が立つ洗剤を使用すると、泡が衝撃を吸収し、洗浄能力が落ちてしまうのです。自宅の洗濯機がドラム式で洗剤を新しくする際は、低泡性洗剤かどうかを確認するのを忘れないようにしましょう。プロ仕様の洗濯洗剤には、天然素材で肌に優しいタイプのものや、抗菌・消臭機能が高く防汚成分も配合により洗えば洗うほど汚れがつきにくくなるといった特徴を持つ洗剤も販売されています。

作業服の乾かし方

作業着は生地が厚く、乾きにくいタイプのものも多くあります。早く乾かしたい場合は、脱水時間を長く設定したり、脱水を2回かけると良いようです。長い時間の脱水でシワが気になる場合は、脱水の途中で作業着をたたみ直してからかけるとシワができにくく早く乾きます。

ハンガーにかける場合はファスナーやボタンはあけ、作業着の風通しを良くします。物干しざおに両袖を通して干す方法もおすすめです。

頑固な汚れほどひと手間が大切

洗濯にひと手間かけることが、作業着を清潔に長く着続けるコツです。今まで落ちないと諦めていた油じみやグリスといった汚れも、汚れの種類に応じた、温度にお湯や洗剤を使用することで、きれいになるかもしれません。

汚れが落ちると、気分もスッキリするでしょう。毎日の手洗いはちょっと面倒という場合は、週に1度、月に1度と手間をかける日を決め、定期的にリセットするのもおすすめです。